アンプの入力出力間に容量などのフィードバックパスがあるとミラー効果という重要な現象が発生する.
以下ではミラー効果について説明する.
※ 心理学のミラー効果(同調効果)ではないです.
ミラー効果とは
次の図のようにゲインが\( -A \)倍のアンプの入出力の間にインピーダンス\( Z _ {\rm F} \)が接続されている回路を考える.
そうすると,アンプによって入力電圧が\( -A \)倍になるので
$$ V _ {\rm out} = -A V _ {\rm in} $$
となる.
アンプの入力抵抗は十分に大きいとすると,インピーダンス\( Z _ {\rm F} \)に流れる電流と入力端子に流れる電流\( I _ {\rm in} \)は同じになるので,
$$ I _ {\rm in} = \frac{V _ {\rm in} – (-A V _ {\rm in})}{ Z _ {\rm F} } = \frac{(1 + A)V _ {\rm in}}{ Z _ {\rm F} } $$
となる.
よって,上の式から入力インピーダンス\( Z _ {\rm in} = V _ {\rm in} / I _ {\rm in}\)を考えると,
$$ Z _ {\rm in} = \frac{V _ {\rm in} }{I _ {\rm in} } = \frac{Z _ {\rm F}}{(1 + A)} $$
と計算できる.
インピーダンスは\( Z _ {\rm F} \)しか存在しないはずなのに,入力から見るとこれが\( (1+A) \)倍に見えるのである.
これがミラー効果である.
参考文献
[1] Willy, Sansen. Analog Design Essentials. Springer Science & Business Media, 2007, chapter #2
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